コロナ禍…冷凍食品でひと工夫 高齢者の食生活の味方に
新型コロナウイルスの感染拡大で外出を控える日々。献立を考えるのにも疲れ、だんだんと食事が面倒に…。特に高齢になると、食欲の減退は健康上のリスクにもつながる。そんな今、頼りになるのが冷凍食品だ。上手に活用して楽をしつつ、栄養価をアップさせ、手の込んだものにも見せるひと工夫を専門家に聞いた。(小林佳恵)
「地域の高齢者サロンや訪問介護の利用を控えるなど、他者とつながりを持つ機会が減り、自宅に閉じ籠もりがちになっている」
在宅医療を受ける高齢者の訪問栄養指導に長年携わる名寄市立大(北海道)の中村育子准教授(臨床栄養)は、新型コロナ禍で多くの高齢者が置かれた状況をこう指摘する。ストレスによる食欲低下の心配があるのに加え、特に独居や夫婦のみの世帯の場合、「買い物に行きづらく、食事を作るのも大変だと次第に食べなくなり、低栄養状態に陥るリスクもある」という。
一般的に、高齢者が体調を崩すと、若者よりも体へのダメージが大きく、回復も遅い。低栄養状態ではなおさらで、「ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)の低下につながる」と中村さん。また、単調な生活になることで、認知症のリスクも高まるという。
■1人暮らしのリスクも
低栄養による体調不良を防ぎ、気持ちを安定させるためにも、毎日の食事は重要だ。ただ、中村さんによると、食習慣は家族構成などにより異なる傾向があり、1人暮らしだと白米に漬物だけといったメニューに偏りやすい。
また、料理が得意でも足腰が弱ると手間をかけた調理は負担になる。無理をして作って失敗し、食への意欲がそがれてしまうケースもあるという。
そんな高齢者の食生活の味方になるのが、冷凍食品などの活用だ。中村さんは「冷凍食品・市販品・レトルト・缶詰をフル活用 70歳からのらくらく家ごはん」(女子栄養大学出版部)を著し、「上手に取り入れて、自分の食べたいものを簡単に用意してほしい」と、積極的な活用をすすめる。