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公用車送迎やタクシー券、高齢者ワクチン接種で交通支援 奈良県の山間部自治体

「車内でのおしゃべりは控えて」

 村は集団接種を計画した1月ごろに公用車での送迎支援を決定。接種当日は職員3人が「送迎担当」としてワゴン車3台を使って、希望者の家を回り、1台あたり3人ほどを乗せて送迎した。「感染防止のため、マスクを着用しても、車内でのおしゃべりは控えてもらった」(担当者)という。これまで約35人が送迎を利用した。集団接種は今後も実施するため、送迎支援を続ける予定だ。

 ほとんどが山間の同県南部で、交通支援を行う自治体は多い。4月下旬に約150人の高齢者の集団接種を実施した同県野迫川村では職員がワゴン車3台で地区を回り、約50人を会場まで送迎した。同県上北山村も送迎支援を行った。

 このほか、5月下旬に近隣自治体と合同で集団接種を予定する同県大淀町ではタクシーチケットの配布を予定している。また同県山添村では福祉タクシーの一部費用を負担する計画だ。

行政が移動手段確保を

 自治体によるこうした支援について、交通政策に詳しい日本総合研究所創発戦略センターの井上岳(たけ)一(かず)さんは「接種したくても『足』がなくあきらめてしまうのは問題。特に公共交通機関が発達していない地域では、行政が移動手段を確保することが最も大切だ」と評価する。

 都市部では集団接種会場への移動手段がない場合、近くの診療所などでの個別接種を呼びかける自治体は多いが、井上さんは「地域の中で小規模な接種会場をつくったり、ワゴン車などで乗り合わせて送迎する『オンデマンド型』の交通支援を導入したりするのも一つの手では」と話す。

 一方、寝たきりのお年寄りなど移動自体が困難な場合の対応に頭を悩ます自治体は多い。同県生駒市ではかかりつけ医による訪問接種を想定する。ただ接種後、副反応などに備え15~30分の経過観察をする必要があり、担当者は「医師が毎回待機すれば通常の診療にも支障がでる恐れもある」と心配する。今後医師の確保など体制整備を進める方針だが、現時点で見込みは立っていないという。

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