コロナ拡大で強まる地方・故郷志向 秋田では移住や県内就職が加速

東京で開かれた「Aターンフェア」は多くの来場者でにぎわった(秋田県提供)

 若者の県外流出などで全国最大の人口減少率が続く秋田県で、県外からの移住が増え、高校や大学の新卒者の県内就職志向も高まっている。新型コロナウイルスの感染者数が多い首都圏など大都市圏を敬遠し、地方・故郷志向が強まっていることをふまえ、県は秋田への移住就職「Aターン」を加速させたい考えだ。

中堅層の移住者増

 秋田県は、首都圏など県外からの移住就職を平成3年度から「Aターン」と呼び、現在は最大200万円の移住支援金を支給している。加えて市町村も独自に定住や住宅の支援金を用意するなど、県を挙げて至れり尽くせりの態勢で移住促進に取り組んでいる。

 さらに東京、仙台、秋田での「Aターンフェア」開催など情報発信も続けて、県の制度を利用した移住就職者は毎年1千人前後、平成3年度以降の累計は3万1千人余に上った。

 しかし、コロナ禍の今年は2月に東京で同フェアを開いただけで、6、8、9月は開催中止。東京の相談窓口2カ所のうち1カ所は緊急事態宣言中、休止した。

 こうしたPR活動不足の中にもかかわらず、今年度、4~6月の3カ月の移住就職者は計305人あり、前年同期より5人多かった。しかもこのうち、成人の年代比率は中堅層の30代が48・4%と前年に比べ8ポイント増えていた。移住前の住所は東京、神奈川、埼玉が全体の3割で、3都県を含む関東は計6割を超える。

 県移住・定住促進課は「全国的に高まりを見せていた地方への回帰・移住志向が、新型コロナの感染拡大が著しい大都市圏を敬遠して、さらに高まっている」とみている。

県内就職の関心高く

 新卒者の就職でも、大都市圏を避けて県内志向が高まっている。

 来春高校卒業を予定し就職を希望する高校生のうち、県内就職を希望している人が6月末時点で70・3%いた。今春の県内の高卒者の県内就職率は15年ぶりに7割を超え70・6%だったが、来春はさらに増える勢いだ。

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