【ワシントン=渡辺浩生】米NBCなど主要メディアは22日、バイデン米大統領が21日にウクライナのゼレンスキー大統領と会談した際に、長射程の地対地ミサイル「ATACMS」を供与する方針を伝えたと報じた。露軍への反攻作戦の成功に有効と判断した。米紙ワシントン・ポストによると、単弾頭ではなくクラスター(集束)弾を使うタイプを供給する見通し。
バイデン氏は21日、ホワイトハウスでゼレンスキー氏と反攻の状況や戦場で必要な能力を協議し、ATACMS供与を伝達。ただ同日発表の追加軍事支援には明記されていなかった。
ATACMSは射程300キロ。露軍の占領地奥深くにある司令部や航空、補給拠点を攻撃できるため、ウクライナが供与を要望してきた。米国は米軍の在庫が限られているとして判断を見送ってきたが、露軍が軍事行動をエスカレートするリスクを懸念したことも理由とされる。
一方で、英国は5月に射程約250キロの巡航ミサイル「ストームシャドー」を、フランスも7月に同種のミサイル「SCALP」を供与し、ロシアの併合が続くクリミア半島などへの攻撃に戦果を挙げてきた。
バイデン政権の決定がドイツに長射程巡航ミサイル「タウルス」の提供を促す可能性も指摘されている。
ロイター通信によると、ゼレンスキー氏は22日、訪問先のカナダで記者団に「米国とさまざまな兵器について協議した」と述べ、ATACMSについて明言を避けた。




