【ソウル=石川有紀】ヘグセス米国防長官は5月30日、アジア安全保障会議(シャングリラ対話)で、韓国の原子力潜水艦建造計画と、韓国が長年求めてきた有事に韓国軍を指揮する「戦時作戦統制権」の韓国への早期移管に支持を表明した。
ヘグセス氏は30日の質疑で中国を念頭に、韓国の原潜建造は「潜在的な敵国」を圧倒する米国と同様の能力を求める動きだとして歓迎した。また、戦時統制権の早期移管を求める韓国政府の動きを「新鮮な変化だ」と前向きに評価した。移管については「米軍の制服組が担ってきた責任と作戦計画が尊重されるバランスを見いだす必要がある」とも述べた。
移管時期について在韓米軍のブランソン司令官は2029年1~3月期と発言。方針転換を警戒する韓国側は28年11月の次期米大統領選より前を求めており、両国の立場は異なる。
ブランソン氏は先月、中国側から見て「韓国はアジアの中心にある短剣」などと発言し、在韓中国大使館が反発。韓国大統領府関係者は5月30日、ブランソン氏の発言を「韓米間の懸案」と表現し、距離を置く姿勢をみせた。
韓国の李在明(イジェミョン)政権は、原潜計画や戦時統制権の移管を巡り、米側から譲歩の見返りとして対中牽制(けんせい)に協力を求められることを警戒している。




