終章 きらん風月 三 (文・永井紗耶子)
何とかして、この鬼卵(きらん)めに一矢報いたい。
定信(さだのぶ)は思案を巡らせてから、ぽんと手を打った。
「そうじゃ。余はこの狂歌に大いに楽しませてもらった。先日の煙草(たばこ)も旨(うま)かった。故(ゆえ)にそなたに褒美を取らせよう。何なりと望みを申すが良い」
定信はやや声を張り、街道筋に控えている者たちにも聞こえるように言った。
何とかして、この鬼卵(きらん)めに一矢報いたい。
定信(さだのぶ)は思案を巡らせてから、ぽんと手を打った。
「そうじゃ。余はこの狂歌に大いに楽しませてもらった。先日の煙草(たばこ)も旨(うま)かった。故(ゆえ)にそなたに褒美を取らせよう。何なりと望みを申すが良い」
定信はやや声を張り、街道筋に控えている者たちにも聞こえるように言った。