東京都港区の六本木交差点からほど近い繁華街を歩いていると、駐車場の片隅に日本庭園のような空間があるのに気づいた。玉砂利に飛び石、竹垣に松の木などの植物も植えられている。
この駐車場は「EcoloPark⁺六本木第20」。東京の一等地だけに、駐車料金は12分440円と、決して安い金額とはいえない。日本庭園など作らず、駐車台数を増やしたほうが、収益につながりそうなものだが…?
「固定資産税対策では」「ブランドイメージをあげるため?」…。SNS(交流サイト)ではさまざまな憶測が飛び交っている。駐車場を運営するエコロシティ(東京都港区)に真相を聞いてみた。
殺風景な駐車場をリニューアル
同社によれば、駐車場は2025年1月にリニューアル開業した。それまでは殺風景な従来通りの駐車場であったが、環境問題への取り組みとして木を植えたいという思いや、六本木は外国人観光客が多い場所なのでせっかくなら日本庭園風にしてみようとこの空間が生まれたという。
駐車可能台数は18台から15台に減らし、通常よりも広いスペースを確保した。収益性を考えるなら駐車可能台数は多いに越したことはないが、同社は環境や街に配慮した次世代のパーキングづくりに取り組んでおり、子供連れや荷物の積み下ろしをする車両にも利用しやすい形にしたという。
コインパーキングではおなじみの精算機やロック板も撤去した。スマホ決済を導入し、AIカメラで車両ナンバーを記録することで、料金を支払わずに去る利用者への対策としている。リニューアル後、未払いは少なからず発生しているものの、従来の設備でかかっていた設置・メンテナンス費用、現金回収などの運用コストなどが削減できたことを考えると、精算機とロック板の撤去はプラスの効果の方が大きいという。
「固定資産税対策」との憶測は否定
「固定資産税対策」との憶測については「15台分の駐車スペースがある駐車場で一部を日本庭園にしたからといって、固定資産税が安くなるということはまずない」と否定。地権者から土地を借りて駐車場事業を展開しているため、土地の固定資産税を払っているわけではないが、土地の規模から考えてありえない話だという。
駐車台数を限界まで増やして収益を追求するのではなく、より便利で印象に残る駐車場にすることで利用者に選ばれる駐車場にする―。そんな理念が垣間見える。山本麻理社長(57)は「今後も新しい取り組みを続け、次世代パーキングを増やしていく」と話している。









