10万人以上が犠牲になった大正12(1923)年の関東大震災。東京や横浜の街が炎に包まれ、多くの命が失われた。100年前の関東大震災と同規模の地震が首都圏を襲った場合、政府や経済活動のバックアップ機能の有無が国の安定や復興には不可欠になる。
バックアップの有力な候補地の1つが関東から地理的に離れ、省庁の出先機関や企業の拠点がそろう関西だ。
大阪では府市が連携して平成29年3月に「副首都ビジョン」を策定。随時点検を行って、刷新を進めるとともに、国に対し要望を続けている。
同ビジョンでは東西に首都機能が並立する「重都(じゅうと)」という表現を用い、平時を含めた首都機能の代替を大阪や関西圏の役割と定義。行政と経済の2分野に大別し、国や企業に働きかけを行っている。
既に東京の本社が被災した場合に備え、NHKでは大阪放送局が全国放送を維持。保険金や給付金を支払う保険会社、携帯電話を運用する通信会社などは臨時で大阪にある自社拠点を対策本部として、機能維持を図る態勢を整え始めている。
一方で、行政の代替拠点構築は足踏みが続く。政府は26年3月に「政府業務継続計画」を閣議決定したが、令和元年度以降、候補地の現況調査は実施されていない。
大阪府市はリニア中央新幹線の早期全面開業や関西国際空港の拡張といったインフラ整備、さらには国際金融センターの実現など着々とバックアップ機能を強化しているが、担当者は「自然災害はいつ起きるか分からない。万が一に備え、国にはもう少しテンポを上げて首都機能のバックアップを推進してほしい」と話す。




