そして自民党がふらつくと、公明党も堂々と本音をもらすようになる。つまり、厳しい現実世界とかけ離れた空想的平和主義や、安易なリベラル路線に回帰しようとするのである。
安倍氏が退任後、政府・与党内で何が起きたか。
一例を挙げると、安倍氏が談話として残した敵基地攻撃能力を含む「ミサイル阻止」のあるべき方策を示すという課題は、令和二年中は見送られた。次期衆院選で選挙協力を期待する公明党が、この件に慎重なことへの配慮が大きい。
覇権国家の正体を隠さなくなった中国や、暴発しかねない北朝鮮など今そこにある危機には目をつむり、ひたすら波風を立てないように振舞えば、何とか問題はやり過ごせると根拠なく信じる。古き悪しき時代の政治が復活した。
また、安倍政権下では事実上、封印されてきた選択的夫婦別姓の導入も、推進派が一斉に声を上げだした。両親のどちらかと子供が別姓になり、家族の一体感を損ないかねない夫婦別姓に反対してきた安倍氏が表舞台から引くと、いきなりこれである。
かつてに比べ現在、職場での旧姓使用などは普通に認められるようになってきた。推進派は夫婦別姓を導入しないことが少子化の一因だと強調するが、後付けの屁理屈だといえる。旧姓使用がなかなか容認されなかった過去の方が、出生率は高かったではないか。
政府が自民党に示した第五次男女共同参画基本計画案も、これまでとは違う特徴があった。慎重派議員は指摘する。
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