そうなれば、2030年度での健全な電源構成目標として政府が見込む原子力の比率(20〜22%)に届かず、狂いが生じる。
原発の新規立地は当面、期待できない。この現状を踏まえると40年を迎える原発の運転延長審査の合理的な進行による合格が、電力の安定供給面からも望ましい。
今回の審査で規制委は、原電に経理的基礎の明示を求める。追加の安全対策工事には、約1800億円が必要だが、その工面ができるのかを問うというのだ。原電は原発以外の発電設備を持たないので他電力より厳しい経営状況となっていることによる要求だ。
だが、この窮状は何によるものか。電源車の配備などを条件として稼働を認め、安全審査を並行していれば、原電や各電力会社は料金値上げもなく強固な安全対策を採れていたはずだ。この際、規制委に自問自答を求めたい。
半径30キロ圏内に96万人が暮らす東海第2の場合は、再稼働での周辺自治体の理解が重要だ。全国の原発での地元との安全協定は、法的根拠を欠いたまま既成事実化しつつある。国が前面に出て調整に当たるべき課題である。



