かんぽ生命の不適切販売問題 業界の自浄努力急務…外貨建て保険苦情急増

 日本郵政傘下のかんぽ生命保険が保険商品の不適切販売を繰り返した問題は顧客を軽視する経営体質を浮き彫りにした。生保業界の関係者からは「元国営という顧客の信頼を悪用した」と厳しい声が上がる。ただ、外貨建て保険への苦情が急増するなど他の生保各社への消費者の視線も厳しくなっており、業界全体の自浄努力が急務だ。

 同じ種類の保険を一度解約してから再契約して実績を稼ぐという今回のやり方は、生保業界では昭和時代に問題になった古典的手法だ。各社はこうした不適切な販売を抑制するため乗り換えでの新契約は営業職員の成績に計上されないといった予防策を採用。ベテランの業界関係者は「多くの生保は対応済み。周回遅れの不祥事だ」と指摘する。

 しかし、程度の差はあれ不適切な販売姿勢が批判の対象となったのはかんぽ生命だけではない。元本割れリスクの説明が不十分なまま販売を広げた結果、高齢者らからの苦情が急増している外貨建て保険は今も問題がくすぶる。

 保険料を経費扱いにできるとして節税効果の過度な喧伝(けんでん)が問題視された経営者向け保険をめぐっては今年2月に開かれた金融庁と業界の意見交換の場で同庁の遠藤俊英長官に「経営の在り方としてはあまり美しくない」と苦言を呈され、国税庁により課税ルールが見直される事態となった。

 各社は金融庁など関係当局にこうした不適切販売を指摘されてきたが、今回のかんぽ生命の不適切販売は極めて悪質。別の生保関係者は「お上の意識が抜け切れていない」と冷ややかだ。

 とはいえ、生保業界のさらなるイメージ悪化は必至で、各社には今回の事例を「他山の石」とし、自らを省みる姿勢が求められそうだ。(林修太郎)

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