7月に震度7を観測した熊本県氷川町で、築190年以上の国の登録有形文化財「氷川町まちつくり酒屋(旧井芹家住宅)主屋」が、地震から2カ月半以上たって倒壊していたことが22日、分かった。地震直後に建物が傾いたまま持ちこたえていたが、16日に倒れた。町は「対応を協議しているさなかだった」と説明している。
町によると、木造2階建てで、江戸時代の1832年に住宅として建てられた。1995年に旧宮原町(現氷川町)が購入し、住民の交流拠点として活用。地震で柱が傾き、壁に亀裂が入るなどして全壊と判定された。
国は保存や活用が特に必要とされる建造物を登録有形文化財に指定し、建造物の価値に影響を及ぼす行為には、届け出を求めている。ただ、災害時の応急措置では届け出は不要としている。
今月16日午前、近隣住民が建物のきしむような音を聞き、午後3時50分ごろに倒壊した。けが人はいなかった。目撃した古島隆一さん(45)によると、瓦がミシミシとこすれる音の後、地響きとともに崩れたという。
井芹家の5代目、井芹道一さん(72)は、この建物で生まれ育ったといい「先祖代々の思い出が詰まった家。残念で仕方がない」と話した。




