暑い。暑すぎる。
うだるような暑さを漢字では「茹(う)だる」と書く。生身の人間が茹(ゆ)で上げられてはたまらない。こう暑くては、命を守ることを最優先に考えるしかない。
気象庁は今年4月、最高気温40度以上の日の名称を「酷暑日」と定めた。その新名称が岐阜、愛知、三重、静岡などの各県から聞こえてくる。35度以上の「猛暑日」地点は、日々全国で数えきれないほどだ。
22日には「ロッテ浦和球場」(さいたま市)で行われたロッテ―オリックスの2軍戦が猛暑のために四回途中でノーゲームとなった。試合中に体調不良を訴えた選手が病院に緊急搬送され、別の選手も体調不良を訴えていた。同市では午後2時に38・7度を記録し、熱中症警戒アラートが発令されていた。
20日には高校野球奈良県大会の3回戦で、春のセンバツ準優勝校の智弁学園はエースと主将のバッテリーに体調不良があって試合を退き、奈良大付属に敗れた。試合会場の橿原市は午後3時に36度を記録していた。
炎天下で行われる夏の甲子園大会は8月5日に開幕する。さまざまな暑さ対策が練られているが、こう暑くては選手らの健康に不安ばかりが先に立つ。
夏の高校総体では暑さ対策として、男子サッカーは福島県、女子サッカーは北海道で開催される。だがいまや、北海道も東北地方も暑い。文部科学省は、熱中症対策ガイドラインで気温35度以上での運動は原則中止と定めている。これに従えば、日本で夏のスポーツ大会は開催できなくなるだろう。
これらは日ごろ、猛暑下での鍛錬を続けている選手を対象とするものだ。彼らでさえ、この異常な暑さには対応できない。そしてより深刻なのは、高齢者対策である。
厚生労働省によれば、令和6年の熱中症による死者数は過去最多の2160人で、このうち85%が65歳以上だった。
高齢者は体力の衰えだけではなく、体温調節の機能も低下している。暑さを感じないままエアコンを使わず、水分や塩分の補給が間に合わないケースがある。特に独居高齢者はこの危険性が高い。
まずは自身の酷暑対策に努めて、身近な高齢者を気遣う。そこから始めたい。夏の本番はこれからである。




