消防隊員2人が殉職した昨年8月の大阪・道頓堀でのビル火災で、たばこの不始末で火災を招いたとして、大阪府警に14日に重過失失火容疑で書類送検された会社員の男(35)=大阪市都島区=が、日常的にビル付近でたばこのポイ捨てをしていた疑いがあることが府警への取材で分かった。付近の防犯カメラ映像などから男の関与が浮上し、府警が捜査を進めていた。
書類送検容疑は昨年8月18日午前9時半ごろ、大阪市中央区宗右衛門町のビル付近で、吸っていたたばこを火の付いた状態で捨てた重大な過失により、ビルなどに燃え移らせて焼損させたとしている。
府警は男の認否を明らかにしていないが、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。男は当時、ビル内の飲食店で働いていたという。
府警は、消防隊員2人が死亡したことに対し、重過失致死容疑の適用も検討したが、たばこの不始末で火災を引き起こす可能性は認識できたものの、消防隊員2人が死亡する結果までは予見できなかったとして、立件を見送った。また、消火活動の指揮などに落ち度はなかったとも判断した。
火災は道頓堀川沿いにある6階建てビルで発生し、隣接する7階建てビルへ燃え移った。2つのビルは4階でつながっており、消防法上は同一棟となる。
9時間以上を経て消し止められたが、計約300平方メートル以上を焼き、消火活動にあたった消防隊員2人が死亡。ほかの消防隊員4人を含む5人が負傷した。
大阪市消防局が今年1月に公表した事故調査報告書によると、6階建てビルの地上付近で出火した後、2つのビルの壁面をはうように垂直方向へ急速に燃え広がった。その結果、7階建てビルで、酸欠状態の場所に空気が流れ込むことで爆発的に燃焼が広がる「バックドラフト現象」が発生。このビル内にいた消防隊員2人が死亡した。




