【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前政権の北朝鮮融和策に伴い深刻な人権侵害が起きたとして、保守の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足後、情報機関、国家情報院(国情院)の文政権時代のトップ2人を対象にした強制捜査が始まった。文政権時代には、旧保守政権時代の4人の国情院長が政権の〝手先〟となり不正に手を染めたとして実刑判決を受けた。国の安全を守る防波堤であるべき機関が政権の思惑に翻弄され続けている。
激しく抵抗するも、取り囲んだ警察隊に引きずられるように北朝鮮兵に引き渡される男性-。
文政権時代の2019年11月、イカ釣り漁船内で船長ら16人を殺害した末、韓国側に逃げたとされる北朝鮮漁民2人を、韓国側が軍事境界線にある板門店(パンムンジョム)で北朝鮮に強制送還させるシーンだ。送還を正当化していた韓国統一省が政権交代後に「明らかな誤り」があったと立場を覆し、今月12日と18日に人権侵害を裏付ける写真や動画を公開した。
