政府と沖縄県は15日、本土復帰50周年記念式典を共催したが、岸田文雄首相と玉城デニー知事の立場の違いが鮮明となっている。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対してきた玉城氏は、岸田政権が検討する敵基地攻撃能力の保有にも異を唱え始めた。知事選を9月に控え、「県民の声」を装い自説を唱える玉城氏に政府側は戸惑いを隠せない。
10日に玉城氏が訪問してくるのを前に、首相官邸スタッフは頭を悩ませた。玉城氏が首相に手渡す予定の「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」が異例の内容を含んでいたからだ。敵基地攻撃能力の保有などを挙げて「県民の平和を希求する思いとは全く相いれるものではありません」と書き込まれていた。
一般的な安全保障政策への見解を沖縄県民の総意として表明するのは事実に反する。官邸内では「北朝鮮の弾道ミサイルから国民を守る手段を否定するのか」と反発の声が上がり、建議書受け取りを拒否することも検討されたが、首相は玉城氏と会うことを決めた。
