金正日氏死去から10年、正恩氏の下での結束演出

金正日総書記の死去から10年を迎え、平壌で開かれた追悼大会で黙とうする金正恩朝鮮労働党総書記(左から4人目)。北朝鮮の朝鮮中央テレビが17日放映した(共同)
金正日総書記の死去から10年を迎え、平壌で開かれた追悼大会で黙とうする金正恩朝鮮労働党総書記(左から4人目)。北朝鮮の朝鮮中央テレビが17日放映した(共同)

【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は17日、前最高指導者の金正日(キム・ジョンイル)朝鮮労働党総書記が2011年に死去したとする日から10年を迎えた。三男で現最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、金正日氏と祖父の金日成(キム・イルソン)主席の遺体を安置した平壌の錦繡山(クムスサン)太陽宮殿の広場で開かれた追悼大会に出席。党機関紙、労働新聞は社説で金正日氏の業績をたたえ、金正恩氏の下での国民の結束を訴えた。

国際社会による制裁や新型コロナウイルス対応での国境封鎖で経済が逼迫(ひっぱく)する中、金正恩体制発足10年の節目に国内の引き締めを図る意図がうかがえる。

朝鮮中央テレビは、17日正午に平壌市内各所でサイレンが鳴り響き、市民が一斉に黙禱(もくとう)する様子を放映。街には弔旗が掲げられ、市民らが中心部の万寿台(マンスデ)の丘にある金日成、金正日両氏の銅像に続々と献花した。

労働新聞は17日付の1面社説で「われわれが試練の中で強大な国家建設事業を活力を持って進められたのは、(金正日)将軍さまの革命思想と路線があったからだ」と指摘。「将軍さまの遺訓を一寸のぶれもなく貫徹しようというのは、(金正恩)総書記同志の鉄石の意志だ」と世代を超えた革命の継承を強調した。

北朝鮮はメディアを通じて金日成氏から3代にわたって揺らぐことなく、引き継がれた革命の伝統を演出するが、金正恩氏は、金正日氏が掲げた軍優先の「先軍政治」から党主導の統治方式へと転換させるなど、父が築いた体制からの脱却を進めてきた現実がある。