米竜巻で90人死亡 バイデン大統領「全力で支援」

【ワシントン=大内清】米南部・中西部の広範囲で発生した大規模な竜巻被害で、米メディアは12日、少なくとも90人が死亡したと伝えた。うち80人は南部ケンタッキー州に集中。同州での死者は100人を超すとみられている。バイデン大統領は11日、演説で「連邦政府としてできることは何でもする」と述べ、被災者の救援や復興支援に全力を挙げる考えを示した。

竜巻は10日夜から11日未明にかけ、南部のケンタッキー、テネシー、アーカンソー、ミシシッピ、中西部のイリノイ、ミズーリの少なくとも6州で数十個が発生した。

最も被害の大きいケンタッキー州の町メイフィールドでは、約110人が夜勤にあたっていたろうそく工場が竜巻の直撃を受けて全壊した。同州当局によると工場から約40人が救助されたが、大量のがれきが積み重なっており作業は難航。同州のビシア知事は、他に生存者が見つかれば「奇跡だ」と語った。

バイデン氏は11日、ケンタッキーに非常事態を宣言することを承認。ビシア氏ら各州知事と電話で会談したほか、連邦緊急事態管理局(FEMA)に被災地への捜索チームの派遣や水、食料などの物資を提供すよう指示した。

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