原油価格2年2カ月ぶり高水準 イラン情勢など影響

週明け28日の東京商品取引所で中東産原油の値上がり予想が強まり、先物の指標価格が一時1キロリットル当たり4万9100円まで上昇し、約2年2カ月ぶりに節目の4万9千円を突破した。株価終値に相当する清算値は前週末比150円高の4万8810円を付けた。新型コロナウイルス禍からの経済活動回復による需要増に加え、産油国であるイランをめぐる国際情勢などから供給拡大にブレーキがかかるとの見方が影響している。原油価格上昇は景気回復で出遅れる日本企業に逆風となる恐れも指摘されている。

原油市場をめぐっては経済活動回復を受け、米国や中国、さらには欧州でも需要が持ち直している。東京市場での原油価格は4月中旬の1キロリットルあたり4万円をわずかに上回る水準から上昇基調を維持してきた。

供給面での背景のひとつがイラン情勢だ。この日の東京市場では、イランと米国との核合意再建に向けた間接協議が難航し、イラン産原油の禁輸措置が続くとの観測が広がった。イランをめぐっては今月18日投票の大統領選で反米強硬派のライシ師が勝利したことも禁輸継続を連想させ、上値を追う材料になっている。

またサウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟の産油国によるOPECプラスの1日の協議では、協調減産の規模を段階的に縮小する4月の合意を確認。一方、産油国として急速な供給拡大は望んでいないともみられている。石油連盟の杉森務会長(ENEOSホールディングス会長)も今月16日の会見で「(減産緩和が緩やかなら)スポット価格は上がり基調になるのではないか」とみる。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員は原油価格の先行きについて「この先も上値を狙う可能性がある」と分析。日本経済への影響に関しては「他国に比べて経済回復が遅れる中で物価上昇圧力がかかり、景気にマイナスに働く可能性があるほか、電力の値決めも原油価格を参考にするため、影響が出るかもしれない」と指摘している。(那須慎一)

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