いずれの作品も、弱者が苦難を乗り越えながら最強の王者になる展開で、戦後の日本人に希望を与え、立ち直る勇気をもたらしたという評価がある。
また、絵物語のスタイルは、昭和40年代に大ヒットとなったスポーツ漫画「あしたのジョー」をはじめ、ロングセラーの「ゴルゴ13」など、複雑なストーリー展開とリアリティのある描写が特徴の「劇画」にも影響を与えたとされる。
例えば昭和27年出版の「ノックアウトQ」は、「木村久(きゅう)」のリングネームで日本チャンピオンとなったボクサー、木村久五郎(1908~1936年)をモデルとし、少年が世界的ボクサーへと成長するまでを描いた作品。「あしたのジョー」の原作者・故梶原一騎氏は自伝「劇画一代」で、「『ノックアウトQ』との運命的な出会いがなければ、後年『あしたのジョー』を生む日はなかっただろう」などと述べ、山川の影響を受けたことを認めている。
学芸員の山田勝さん(53)は「戦後の大衆文化を担い、優れた業績を残した人。多くの有名作家に影響を与え、現在活躍している漫画家のルーツをたどると山川さんに行き着く」と業績の偉大さを語る。
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「生誕110年記念 山川惣治展」と題した作品展では、絵物語作家、山川の原画や文庫本、新聞の切り抜きなど350点を展示している。火曜休館。入場料は大人600円、高校生以下無料。同館(0853・62・5090)。



