その他の写真を見る (1/3枚)
福島市の中心街、県庁通り。ガラス張りの明るい外観、白塗りの壁にシックな装飾の店内には、「テオ」や「エフェクター」など名の知れたブランドの眼鏡フレームが並ぶ。店名の「OPTICAL(視覚、視力の意) YABUUCHI」の看板は、どこにもない。評判の「おしゃれな店」には、若い客だけでなく中高年層の姿も目立つ。
閉店危機の中、新しさ加え
征韓論に揺れた明治6年(1873年)創業の老舗とは、とても見えないが、145年の荒波にもまれながら脱皮を重ね、今がある。特に戦後、閉店危機の中、方針を大転換し新しさを加えてきた。
現在の藪内義久社長(39)は5代目。創業者の弓五郎氏は曽祖父で、輸入時計を売る「藪内時計店」として出発した。輸入時計の専門店は当時、東北に5店しかなく、3年後、店舗の屋根に大きな時計塔を設置し、長く街のランドマークになったという。
その後、品ぞろえに眼鏡と宝飾品が加わり、蓄音機を販売したことも。福島市は空襲を免れたので店舗も残ったが、屋台骨を洗う荒波は戦後、襲ってきた。
店舗を現在のものに新築してから10年後の昭和58年だった。第2次オイルショックの中、比較的安価なクオーツ式時計が台頭し、高額な機械式時計を扱う同店には厳しい状況となった。当時の4代目、義久さんの父、一弘社長(66)は時計と宝飾品を捨て、眼鏡一本に絞る決断を下した。




