明治の文豪、森鴎外(1862~1922年)の代表作『舞姫』の自筆原稿が、森鴎外記念館(東京都文京区)で開催中の企画展「舞姫-恋する近代小説」で初公開されている。
明治23年に発表された『舞姫』は、鴎外が留学先のドイツで知り合った実在の女性との悲恋を描いたとされる短編。同展は、明治に入ってから文学作品に登場し始めた「恋愛」という言葉をキーワードに、同作が近代文学史で果たした意義を探っている。
『舞姫』の自筆原稿は長らく個人所蔵されていたものを昨年、学校法人跡見学園が約4600万円で購入。今回初めて一般公開された。会場には、『舞姫』とともに、鴎外がドイツ留学後に同国を舞台に執筆した「ドイツ3部作」の一つとされる『文づかひ』(大阪樟蔭女子大所蔵)の自筆原稿も並ぶ。
鴎外研究の第一人者で跡見学園理事長の山崎一穎(かずひで)さんは「鴎外自身もこの2つの自筆原稿を並べて見たことはないだろう。自筆原稿は筆遣いや修正の跡から心の動きが見えてくる。特に若い世代に自筆原稿ならではの良さを知ってもらいたい」と話す。同展は9月25日まで。自筆原稿の公開は9月11日まで。(高橋天地)




