□県消防課企画指導班班長・金子幸恵さん(47)
◆岩手と福島に
東日本大震災の発生から11日で9年となる。県消防課企画指導班班長の金子幸恵さん(47)は震災発生直後を含め、計4回、岩手、福島両県に応援職員として赴き、被災地の復興に携わってきた。東京電力福島第1原発事故の影響が残る福島県では人が戻っていないことでまだ復興途上のところもあるといい、「9年たっても被災地が震災前の状態に完全に戻ったわけではない」と語る。
金子さんが最初に派遣されたのは岩手県大槌町。同県に祖母がおり、土地勘があるとして応援職員に選ばれ、震災直後の平成23年4~5月に約1週間滞在した。
同僚らと3人で被災者が入る入浴施設を設置するため同県に向かったが、被災直後で混乱が続いており、「出発の時点では設置場所が決まっていなかった」と振り返る。結局、入浴施設は大槌町内にある小学校に設置され、「チーバの湯」と名付けた同施設は地元住民に好評だった。「女子中学生のグループがお風呂で楽しそうに話していたのがうれしかった」と話す。
◆横のつながり
その後も、継続的に被災地の復興に関わりたいと考え、25、27年度に自ら志願して同県に赴き、同県庁で1年ずつ働いた。
28年度は福島県庁に応援派遣で勤務。津波被害への対応が中心だった岩手県に対し、福島県は第1原発事故後の放射性物質への対応が大きな課題となっており、被災地ごとにきめ細かな支援が必要だと痛感させられたという。両県には今も1年に1回ほど、個人的に訪れる。
応援派遣は、他県の職員との横のつながりも作った。昨年9月の台風15号で千葉県が大きな被害を受けた際には、一緒に働いた他県の職員から必要な支援などについて問い合わせがあったという。
岩手、福島両県への応援派遣を通じて、千葉県のことを「客観的に見られるようになった」といい、震災被災地への派遣で得た経験を県民の安心安全な生活のために役立てたいと話す。(永田岳彦)



