瑞宝双光章

千葉の元初富保健病院看護部長、小島英子さん「高齢者看護 常に寄り添う」

瑞宝双光章受章が決まり、喜びの笑顔を見せる小島英子さん=千葉県鎌ケ谷市(小野晋史撮影)

 春の叙勲の受章者が発表され、千葉県関係では192人が栄誉に輝いた。発令は29日付。このうち、瑞宝双光章を受章する元初富保健病院看護部長の小島英子さん(65)に喜びの声を聞いた。

 多くの高齢者が入院している初富保健病院(鎌ケ谷市)で看護部長を15年以上にわたって務め、看護や介護にあたる職員ら約400人をまとめてきた。

 「職員が一丸となって仕事をしてきたおかげ。私は代表でもらっただけです」と謙虚に話す。

 岡山県津山市出身。父親を早くに亡くし、その後は母親が大黒柱となって家庭を支えた。高校卒業を控えて進路に悩んでいたとき、かつて神戸市で市電の車掌を務めていた母親に「これからは女性も職業人として自立した生活をすべきだ」と言われたのを機に、「人の役に立ちたい」と看護師の道を選んだ。

 当初は小児科で勤務。実習で個室に隔離された男の子を担当したのがきっかけで、「一緒に遊んだりしながら元気になっていく姿を見ていると、役に立っているという実感があった」と振り返る。その後は技術を磨きながら、神戸市内の病院で13年間勤務した。

 結婚を機に、夫の仕事の関係で白井市に引っ越した後、初富保健病院で高齢者看護の世界に入った。そこで最も力を入れたのは、入院している高齢者の拘束廃止だ。

 長年社会に貢献してきた人たちが、徘徊(はいかい)防止などの理由でベッドに縛り付けられた光景にショックを受け、すぐに退職を申し出た。しかし、当時の総婦長に「一緒に廃止に取り組みましょう」と言われて思いとどまり、平成12年に介護保険法で原則禁止規定が盛り込まれる前に同病院では拘束廃止をほぼ実現させた。その後も「患者の心のよりどころになれれば」と、多くの高齢者らと接してきた。

 同病院を平成31年1月に退職後は、県内の高齢者施設で看護師として働く。特に昨年以降は、新型コロナウイルス対策に追われながら、親族との面会が難しい入居者のために奔走してきた。

 自らの母親も別の高齢者施設に入居していたが、新型コロナの影響で面会できないまま昨年末に亡くなった。それだけに「目の前の入居者に対して、一番近くにいる看護師が寄り添っていかねばならない」との思いが強い。(小野晋史)

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