年の瀬記者ノート

感染者10倍、新型コロナが浮き彫りにした茨城県の「南北問題」

 茨城県内で3月17日に感染者が初確認された新型コロナウイルス。2月28日に第1回の対策会議が開かれ、県が準備を整えようとした矢先のことだった。そこから約10カ月の取材活動を続けた記者の目には、県北地域と県南地域の感染状況の違いが鮮明に映った。県北6市町の感染者は県全体の約3%にとどまる一方、県南地域ではつくば、土浦両市のみで約30%を占める。新型コロナが東京都を中心に拡大していることを印象付けた。

 茨城県の発表を基に、本紙が12月25日までの感染者数を集計したところ、日立市26人、常陸太田市18人、常陸大宮市8人、北茨城市5人、高萩市3人、大子町3人で県北6市町の合計は63人だった。県南地域では中心都市のつくば、土浦2市のみで計618人となり、県北との差は約10倍に及ぶ。

 新型コロナの感染拡大に伴い県が今年4月、初めて外出自粛などの要請を出した際も大井川和彦知事は「県内感染ではなく、東京圏からの感染が最も脅威」と指摘。東京圏との往来が激しいつくばエクスプレス(TX)や常磐線沿線のつくば、土浦、つくばみらい、守谷、牛久市など9市町を「感染拡大要注意市町村」と位置付け、県内初となる、会食や夜間外出の自粛要請を行った。

 冬の第3波でも、この傾向は変わらず、県は11月末に、土浦、つくば、つくばみらい、牛久、かすみがうら市など8市町で不要不急の外出自粛を要請した。

 対照的に、県北地域の6市町ではこれまで、地域限定の外出自粛要請は一度も出されていない。課題だった東京都との往来人口の少なさが皮肉にも感染者が少ない一因となっているとみられる。

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