オンライン診療、指針改定へ 緊急避妊薬解禁、ロボ手術も

 スマートフォンなどを使って離れた所にいる患者を診る「オンライン診療」について、厚生労働省が5月に指針を改定することになり、その全容が3日、分かった。指針は昨年3月に策定され、保険診療が解禁されたばかりだが、内容の不明確さなどが指摘された。新指針では順守すべきルールを新たに明記し、同診療を実施する医師に、研修受講を義務付ける。

 現行の指針では、初診の原則対面を規定していたが、何が「初診」か、その例外事項も不明確だった。このため、初診を「新たな症状で受診」と定義した上で、2度目の来院でも別の症状で受診した場合は、初診扱いとする。

 新指針では「患者がすぐに適切な医療を受け入れられない場合」として特に要望が多い緊急避妊薬の処方を解禁する。同薬は海外から輸入品が入り込み、ネットなどで転売が繰り返されているのが現状だ。

 同薬の処方は原則対面の例外となるが、患者は3週間後に医師の受診の約束を取り付けたり、性犯罪被害の可能性がある場合は警察への相談を促したりするなど、処方の条件も明記する。

 一方、オンライン診療では、指針に違反する不適切事例が相次ぐ。医師ではない人がスマホの画面に現れたり、ネット広告では「初診から来院の必要がない」と誤った記載をする医療機関も出たりしている。メールやSNS(会員制交流サイト)など文字だけのやり取りで診療をしているとの報告もあった。

 厚労省は昨年12月、初診対面を守らない医療機関は医師法違反の疑いがあるとして、各都道府県に是正を求める通知を発出。新指針では、オンライン診療を実施する上で順守すべきルールを新たに明記し、さらに患者が誤ったメッセージを受け取らないように、オンライン診療の広告の適正化も目指す。

 さらに遠隔地の患者に対しロボットによる遠隔手術も容認される。患者には担当医師が同席する必要があり、遠隔地の専門医がオンラインで手術をする。

     ◇

 【オンライン診療】 医療機関に来院しなくても、パソコンなどの画面越しに医師の診断や薬の処方を受けられる。平成9年に「離島・僻(へき)地」などに限って認めていたが、27年に通知で僻地など限定ではないとの見解を示し、事実上全面解禁。30年度の診療報酬改定で、「オンライン診療料」(月1回700円)などが創設され、保険適用が始まった。

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