天皇陛下が譲位の意向をにじませられた平成28年8月のビデオメッセージの公表から2年8カ月余。昭和天皇の崩御という悲しみの中で始まった「平成」とは異なり、今回は代替わり前に平成の総括をしたり、国民が天皇、皇后両陛下に直接、感謝を表したりすることができた。祝賀ムードで時代の幕開けを迎えることは、譲位の利点の1つといえそうだ。
両陛下は譲位関連儀式として、3月に神武天皇陵(奈良県橿原市)、今月は伊勢神宮(三重県伊勢市)と昭和天皇の武蔵野陵(むさしののみささぎ=東京都八王子市)をご参拝。沿道では多くの国民が人垣を作って出迎えた。陛下は2月の在位30年記念式典で国民へ謝意を伝えられたが、宮内庁幹部は「各地への参拝は、陛下のお言葉に対し、国民が感謝を示す場ともなった」と振り返る。
29年6月に譲位を可能とする特例法が成立。政府・宮内庁はそれぞれ式典委員会、大礼委員会を立ち上げるなど代替わりの準備を進めた。儀式に関わる宮内庁職員の1人は「水面下での準備を要した昭和とは全く状況が異なる」と明かす。
皇太子さまも万全の態勢で即位の日を迎えられる。25日には儀式の事前準備のため皇居をご訪問。宮殿で所作などの確認を行われた。「これからのことを思うと、とても厳粛な気持ちになります」。今年2月の誕生日会見では、即位を控えた心境を問う質問にこう述べられた。次期天皇による儀式の準備や、即位前の心境ご表明は昭和時代にはなかったものだ。
昭和天皇が病床に伏した昭和最後の日々と平成の幕開けは、行事やテレビのバラエティー番組などが自粛されたが、今回は各メディアが両陛下のお歩みにとどまらず、あらゆる角度から平成を総括して祝賀ムードを演出する。



