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新型コロナで国富蒸発 見えないアベノミクス後の青写真

会見で辞任の意向を表明する安倍晋三首相=28日午後、首相官邸(春名中撮影)
会見で辞任の意向を表明する安倍晋三首相=28日午後、首相官邸(春名中撮影)

 安倍晋三首相が辞意を表明したことで、経済政策「アベノミクス」の宿題も次期政権に引き継がれる。新型コロナウイルスの感染拡大で4~6月期の国内総生産(GDP)は平成24年12月の第2次安倍政権発足前の水準に落ち込み、7年半で積み上げた国富が蒸発した。新しい生活様式が必要なコロナ後の世界で、経済を成長軌道に戻す青写真は依然見えないままだ。

 物価が持続的に下落するデフレからの脱却に向け、アベノミクスは大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間活力を喚起する成長戦略という「3本の矢」を掲げた。市場に大量のお金を供給する日本銀行の「異次元の金融緩和」が奏功し、民主党政権時代の歴史的円高は円安方向に反転。企業業績が向上し、1万円を割り込んでいた日経平均株価は2万円台まで回復した。

 求職者1人当たりの求人数を示す有効求人倍率が1倍を大幅に上回るなど雇用環境は改善。物価も「持続的に下落するという意味でのデフレではなくなった」(日銀の黒田東彦総裁)。

 だが、後から振り返れば景気が既に後退局面に入っていた令和元年10月に消費税増税に踏み切った“判断ミス”と、コロナ禍が重なり、物価変動を除く実質のGDPは4~6月期に年率換算額で485兆円と政権発足前の水準まで戻った。

 世界的な感染再拡大で個人消費や輸出など内外需ともに回復は弱い。「一億総活躍社会」を目指すアベノミクスのもと、少子化による働き手の減少を補ってきた高齢者や女性などが非正規雇用を中心とした“コロナ切り”で職を失ったことで、今後は供給力低下にも見舞われる可能性が高い。

 みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは、日本経済の成長力の回復は「誰が後継者でもかなりハードルが高い」と指摘する。

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