カーシェアリングサービス「タイムズカー」のウェブシステムに不正アクセスがあり、運転免許証などの個人情報が漏洩(ろうえい)した問題は、民事訴訟の場でその責任の所在が問われることになる。企業の情報漏洩を巡ってはこれまで、関係者が意図的に情報を持ち出したケースなどで裁判所が企業側に賠償を命じた例があるが、不正アクセスを受けた企業は「被害者」でもあるとの見方もあり、法的責任追及のハードルは高そうだ。
平成26年に発覚したベネッセコーポレーションの情報流出事件では、顧客らが集団訴訟を起こし、ベネッセ側に賠償を命じる判決が確定した。事件では、関連会社の従業員が不正に情報を流出させたとされる。
ベネッセの訴訟に携わった金田万作弁護士は、「故意に持ち出された事例と異なり、不正アクセスによる漏洩では、一般的には原告による過失の特定や立証が困難となる」と説明。今回のタイムズカーのケースについても、「会社による原因調査などの結果が公表や開示されるなどしない限り、原告側による立証は難しいのではないか」と指摘する。
「顔写真も含まれる免許証画像の流出は、利用者にとって大きな損害だ」としつつ、「ほかにも多くの大手企業が不正アクセスによる漏洩に苦しめられている現状を考慮すると、企業側の過失が簡単に認められるとは言い難い」との認識を示した。(堀川玲)




