酷暑下のスポーツのあり方はまったなしの課題だ。対象が育成年代であればなおさら。日本陸連はこのほど、全国高校総体、全国中学校体育大会(全中)を主体的に運営する全国高等学校体育連盟、日本中学校体育連盟に対し「確実な暑熱対策が実施されなければ主催をしない」と改善を迫った。主催を降りるということは日本陸連の非公認大会となり、そこで生み出された記録は陸上史に残らないという大なただった。
陸連は「主催権をちらつかせるのは横暴ではないか」などと内外から批判を浴びながらも、強固な姿勢を崩さなかった。高体連は高校総体の競技日数を増やし、夜間開催も提案。中体連は全中の午後3時以降のタイムテーブルを提示した。全中に関して大きな改善はなかったが、「無防備に競技が進まないようにするのが陸連が担うべき責任」(田崎博道専務理事)と、いずれの大会も主催を継続することで決着した。
これだけなら全中のほうが課題が多そうだが、関係者は「(陸連理事会では)どちらかというと高校総体の方が議論が白熱していた」と明かす。高校総体の一部出場選手は競技の合間に競技場のごく近いところに確保した宿に帰り、水風呂に入って体温を下げ、そして競技場に戻るということを繰り返しており、理事の一人が「もはや陸上の勝負ではない」と訴えたという。
高校総体では5日間で400メートル、400メートル障害、800メートルを予選、準決勝、決勝とそれぞれ3本走り、さらにリレー2種目に出場した選手もいた。それを酷暑下で行うとなれば、確かに純粋な速さを競う競技の本質から逸脱している。一方の全中は個人が出場できるのは1種目に制限されており、この点では先んじていた。
