「支えは母からの腕時計」「月見て泣いた」曽我ひとみさん、北での24年回顧 国民大集会

飯塚耕一郎さんからの質問に答えながら、母に買ってもらった腕時計を見せる曽我ひとみさん=5月30日午後、東京都千代田区(酒井真大撮影)

30日に開かれた北朝鮮による拉致被害者救出を求める国民大集会では、帰国被害者の曽我ひとみさん(67)がインタビュー形式で北朝鮮での暮らしぶりなどを明かした。一緒に拉致されたまま安否不明の母、ミヨシさん(94)=拉致当時(46)=に「あきらめずに待っていて」と呼びかけ、国民世論の後押しを改めて求めた。

「帰国を諦めそうになったこともあったはず。何が心を支えたのか」。インタビュアー役の田口八重子さん(70)=同(22)=の長男、飯塚耕一郎さん(49)からの質問に、曽我さんは「母が借金をして買ってくれたこの腕時計に、つらいことや悲しいことを聞いてもらった。これがなければ今、私はここにいないかもしれない」と明かした。

曽我さんは昭和53年8月、新潟県佐渡市で買い物から帰宅する途中、一緒にいたミヨシさんとともに拉致された。それ以来、北朝鮮でもミヨシさんを見かけたことはなく、離れ離れの日々が続いている。

北朝鮮での生活は24年に及んだ。当時の生活については「専業主婦として、家で家事や子供の面倒を見ていた」と説明。「佐渡を思い、夜に外に出て月と星を見ながら泣いた」と苦境を回顧し、「北朝鮮にいる被害者たちは、きっと私と同じことをしていると思う」と案じた。

平成14年9月の日朝首脳会談を経て同年10月に帰国を果たしてから、今年で24年。北朝鮮での年月と同じくらい長い時間が過ぎたが、母親との再会はかなっていない。2カ月ほど前、夢にミヨシさんが出てきたが、「車椅子に乗っていた」といい、「本当に心が痛んだ」と声を震わせた。

ミヨシさんと同世代で、横田めぐみさん(61)=同(13)=の母、早紀江さん(90)には、特に思いを寄せている。集会で早紀江さんは、「拉致問題を『そういえば、そんなことがあったねぇ』で終わらせては絶対にいけない」と訴えた。

曽我さんは、早期の事態進展に向けて、国民世論の後押しが必要だと強調。「今までもたくさん力をもらったが、これまで以上に、貸してください」と求めた。(中村翔樹、内田優作)

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