【北京=三塚聖平】中国で10月1日から国慶節(建国記念日)に伴う8連休が始まる。中国政府は、連休中に旅行などで延べ23億人超が移動すると予測。海外に旅行する人も増加する見込みで、人気の旅行先には今年も日本が入った。中国では抗日戦勝80年に合わせて日中戦争を題材にした映画の上映などが相次いでいるが、訪日旅行の人気は揺らいでいないようだ。
大阪路線の予約好調
今年の国慶節連休は中秋節の休日と重なったため昨年より1日長く、10月1~8日となる。中国メディアは「スーパーゴールデンウイーク」と呼ぶ。
中国交通運輸省は、連休中に旅行や帰省などで移動する人が延べ23億6千万人に達すると予測する。
海外旅行の増加も見込まれている。国家移民管理局は、連休中の出入境者数が1日当たり延べ200万人に上ると予測する。昨年の連休では1日当たり187万1千人だった。
中国メディアの財新は、人気の海外旅行先として日本、韓国、タイを挙げた。北京の日系航空会社幹部は「今年の夏休みシーズンに続いて国慶節連休も日本行きの販売は好調だ」と指摘する。北京商報(電子版)によると、大阪・関西万博が開催中の大阪を結ぶ路線の予約が好調だという。韓国は9月29日から中国人団体観光客に対するビザ(査証)を免除したが、訪日旅行の人気には目立った影響は見えない。
反日高まり懸念も
中国では今月3日に抗日戦勝80年を記念する軍事パレードが開かれたほか、18日には旧日本軍の関東軍防疫給水部(通称731部隊)を題材にした映画「731」が公開された。反日感情の高まりが懸念されているが、日中関係筋は「最近のビザ申請の状況を見ても、抗日80年が中国人の訪日に影響している様子は見受けられない」と分析する。最近家族が日本に旅行したという北京の自営業男性は「海外に興味がある人には抗日80年の映画などは響かない」と冷静だ。
「消費二極化」で個人旅行増
中国経済を巡っては、長期化する不動産不況などが消費不振につながっている。そうした傾向は国慶節連休でもうかがわれる。交通運輸省によると、連休中に自家用車で移動する人は全体の約8割に当たる18億7千万人。連休中は高速道路の通行料が無料になるということがあり、節約志向の高まりを反映していると受け止められている。
一方で、富裕層は高額でも差別化、カスタマイズされた消費を好むようになっており、中間的な消費が減る「消費の二極化」が起きている。そうした傾向を受けて訪日旅行に出る余裕がある富裕層では以前のような画一的な団体旅行よりも個人旅行が増えているもようだ。中国の交流サイト(SNS)で「もう伝統的な団体旅行は選ばない」として、専用車での移動や高級すし店で飲食を楽しむ様子などが投稿されている。




