大相撲初場所6日目の17日、現役を引退した優勝10度の第73代横綱照ノ富士(33)=本名杉野森正山、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=は、23歳で大関になったものの平成30年初場所を最後に幕内から陥落。一時は西序二段48枚目まで転落した。この間、両膝の手術、糖尿病、C型肝炎など内臓疾患との闘いもあった。
25年春場所後、所属していた間垣部屋が閉鎖される大きな転機が訪れた。当時の師匠、間垣親方(元横綱2代目若乃花、故人)は病気療養中で稽古場に姿を見せることもなく、最後は所属力士3人に。稽古相手もいなければ、ちゃんこをたらふく食べることさえままならない日もあった。伊勢ケ浜部屋への転籍が決まり、新たな師匠は伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)となった。
幕内から陥落して、親方に進退を申し出たのは一度や二度ではない。それでも師匠は体を治すことを切々と説いた。
「親方が信じてくれて、親方を信じてやってきた」
もともとは「若三勝」を名乗っていた。転籍を機に師匠が自らの現役時代のしこ名から「富士」を与え、伊勢ケ浜部屋が生んだ横綱照国から「照」をもらい「照ノ富士」となった。再入幕の令和2年7月場所を制し、3年夏場所で大関復帰。日本国籍取得後の同年秋場所で新横綱に昇進し、昨年の名古屋場所では目標としてきた2桁優勝を達成した。




