高齢者の溺死は交通事故死の3倍 冬本格化、入浴時の「ヒートショック現象」に注意

風呂場など冬に寒暖差で起きる「ヒートショック」に注意が必要だ

6日に54歳で死去した俳優で歌手の中山美穂さんの死因は、「入浴中に起きた不慮の事故」だった。特に高齢者の場合、溺死は交通事故死の3倍に達するなど、安心できるはずの自宅内で浴室は危険スポットだ。9日は朝から全国各地で冷え込み、東京都内では初霜や初氷を観測。入浴時などに寒暖差で起こる「ヒートショック」などが原因とみられる死者は例年、寒さが増す12月以降に急増しており、関係機関は注意を呼びかけている。

厚生労働省の人口動態調査によると、令和3年の高齢者の不慮の事故による死因で、溺死は6458人。交通事故の2150人の約3倍だった。そのうち、約8割にあたる5097人が浴槽内か浴槽への転落による溺死だった。消費者庁によると、熱めの湯に長時間つかったり、酒や薬の服用後に入浴したりする以外に、脱衣室や浴室の寒さも溺死を誘引していると見られる。

ヒートショックは温度の急激な変化により血圧が変動し、脳卒中や心筋梗塞などの疾患を引き起こす現象。東京ガスや暖房器具メーカーなどからなる団体「STOP!ヒートショック」は居間から脱衣室や洗い場、さらに浴槽と、寒暖差が極端に表れる入浴時の危険性を指摘している。

東京都によると、都監察医務院が扱った令和4年の異状死約1万4千件のうち1割強の1704件で、死者は直前に入浴していた。12~2月の死者数はいずれも250件を超え、被害が集中している。過去5年の統計によると、全体に占める65歳以上の割合は、男性が87・6%、女性が94・1%と高齢者が大多数を占めるが、40~50代の死者も一定数おり、注意が必要だ。

「STOP!ヒートショック」は事故防止策として、風呂の湯をはる際にふたを外して浴室を温めたり、脱衣室を暖房などで温めたりして、寒暖差を減らすことが必要だと指摘。都は酒や精神安定剤などの服用後や、体調不良時の入浴を避けるよう注意を呼び掛けている。

冬のお風呂は40度で10分 のぼせ防止を

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