阿部一二三「心技体すべて成長」 恩師、連覇見届け

パリ五輪柔道男子で金メダルを獲得した阿部一二三(右)と恩師の信川厚さん(信川さん提供)

王者の貫禄を見せつける堂々の連覇だった。柔道男子66キロ級の阿部一二三(ひふみ)(26)が28日、2大会連続の金メダルを獲得した。妹で女子52キロ級の詩(うた)(24)との「同日連覇」はならなかったが、決勝でも圧巻の柔道を披露。パリまで応援に駆け付けた恩師も「東京五輪のときから心技体すべてで成長できている」と教え子の活躍に目を細めた。

連覇が決まると、緊張から解放されたように表情を緩め、両手を突き上げた。観客席にも拳を掲げ、声援に応えた。会場には阿部を中・高で指導した神港学園高(神戸市)の柔道部総監督、信川厚さん(59)の姿もあった。

両腕をしっかり持つ。しっかり持つことができれば、しっかり投げられる-。信川さんが繰り返し言って聞かせた柔道の基本は、連覇がかかった五輪の大舞台でもしっかりと体現され、うれしく思った。

決勝の後に阿部をねぎらうと、試合前に妹の敗戦の知らせを聞いて「ちょっと動揺しました」と話していたという。

だが、そんな心の揺らぎをみじんも見せることなく、圧倒的な強さで快挙を成し遂げた。信川さんは「一二三らしい攻めの柔道だった。(試合後に)金メダルもかけてもらい、感無量でした」と喜んだ。(西浦健登)

阿部一二三が見せつけた兄の強さ、妹・詩の思いを背負い パリ五輪柔道男子66キロ級金メダル