山梨県富士河口湖町は、コンビニエンスストアの上に富士山がのったような写真が撮れる絶景スポットの「富士山ローソン」の向かい側の歯科医院前に目隠し幕を設置する工事を21日に完了させることを13日、明らかにした。現在は幕用のポールが敷設されているだけで、富士山ローソンの撮影は可能だが、21日に幕を設置し、以降は歯科医院側からは見えなくなる。
富士山ローソンはSNSで紹介されたことで、2年ほど前から外国人観光客の人気撮影スポットとなっている。富士急行線の河口湖駅から近く、周囲では常時数十人が撮影している。コンビニの駐車場やその前の歩道でも撮影しているが、片側1車線の道路を隔てた向かいの歯科医院前からの方が、よりアングルがいいと人気があり、撮影者が殺到し、歩道を占有している状態だった。
さらに喫煙やごみのポイ捨て、通院者向けの駐車場への無断駐車や歯科医院私有地への立ち入りなどのマナー違反が相次いだ。自動車やバスが行き来する道路の、横断歩道ではない場所を渡っていくなどの危険行為も多い状況だった。
町では4カ国語の注意看板やコーンを設置。警備員を配置して、交通ルールを守るよう指導してきたがマナー違反は続いていた。
そのため、「苦肉の策」(都市整備課担当者)として、4月に歯科医院前の歩道にポールを立て、高さ2・5メートル、幅20メートルの幕を張ることを決定。4月末からポール設置などの工事に入っていた。幕の入手に時間がかかり、今月21日に設置できるめどが立った。
富士山が日本を代表する世界的な観光地であることから、「富士山ローソン」の目隠し幕設置方針は、世界各国で報じられた。SNSでは「悪い連中のせい」「ごみが少し増えるのが、そんなに大ごとか」など、是非論が白熱している。オーバーツーリズム(観光公害)は各国でも大きな問題となっており、絶景スポットを見えないようにするといった富士河口湖町の対策は異例で、注目を集めている。(甲府支局 平尾孝)





