最大震度6強を観測した能登半島中部の石川県七尾市。多くの家屋が倒壊し、少なくとも5人が死亡したほか、いたる所で地割れが発生し通行止めや渋滞が相次いでいる。
「水が足りない」「情報がない」。避難所となった市内の小学校やコミュニティーセンターでは、1日の地震発生後から大勢の住民が詰めかけ、口々にこう訴えた。避難所を担当する市高齢者支援課の春木千恵美さん(52)は「食料の支援や給水がいつ来るかわからず不安だ」と話した。
避難者には高齢者も多い。特に深刻なのが断水による水不足で、水洗トイレが流せず、プールにためていた水を運んできて使っている。教室には暖房設備がないため、暖房のある図書室や大部屋に集まっているが、毛布も足りず、体育用のマットで代用するなどしてしのいでいるという。
地震の時は妻の実家に集まっていたという会社員の田中高志さん(48)は「余震で崩れるかもしれないと思うと家にはいられない」と避難。「高齢の祖母もいるので不安。トイレが流れず、子供はごはんも食べられない」と語った。
約600年以上の歴史を持ち、道沿いに約50店の店舗や家屋などが並ぶ同市の一本杉通り地区では、古い建築物が軒並み倒壊した。「一体どこから手をつければいいのか」。精肉店の60代の女性店主は崩れた外壁や物が倒れて積み重なった店内を眺め、呆然(ほうぜん)としていた。
明治期からの歴史を持つ老舗のろうそく店も、瓦屋根全体が地面に接するまで大きく崩れ落ち、同店関係者の男性は「言葉も出ない」と絶句した。
洋服店を営む道下真奈美さん(62)もショーウインドーのガラスが割れるなど店舗に大きな被害が出た。「余震も続いていて怖い。片付けもめどが立たない」と不安を隠せない様子だった。
一本杉通り地区の避難所でも、水が足りないため近くの井戸から水を汲み、係員らがトラックで運んでいるという。「衛生面でも不安がある。早く復旧してほしい」と望んだ。(外崎晃彦、前島沙紀)




