3月中旬の日韓首脳会談で大きく転換した日韓関係は、多くの対話チャンネルが動き出し「春風」が吹いているようにみえる。だが、目をこらすと日本と韓国の間には依然として埋まらない認識ギャップが横たわっており、正念場はむしろこれからだ。特に尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権はいわゆる徴用工問題をはじめとする対日外交が批判にさらされ、支持率が低迷中だ。会談で合意したシャトル外交の再開を前に、今夏には韓国世論の反対が強い東京電力福島第1原発の処理水海洋放出も控えている。約10年ぶりの関係修復は容易ではない。
動き出した「日本の時計」
首脳会談から1カ月余で「日本の時計」が動き出した。4月17日、ソウルで日韓の外務、防衛当局の局長による「安全保障対話」が5年ぶりに行われたのに続き、今後は外務次官級の「戦略対話」を再開する予定で、さらに両国の安全保障会議(NSC)レベルで行う「経済安全保障協議」も立ち上げる。外交が動き出し、財務、経済産業、文部科学などの他省庁もこれに続いている。
