21日から中華圏の旧正月「春節」の大型連休が始まるが、観光業界の予約が伸び悩む一方、一部の百貨店では、水際対策が昨年10月に本格緩和されて以降、訪日外国人観光客(インバウンド)の売り上げが新型コロナウイルス禍前の水準近くまで回復している。中国本土からの需要が消失する一方、日本での買い物が割安になる円安を追い風に、高額品のショッピングを楽しむ韓国や台湾、東南アジアなどの訪日客が増加したためだ。
松屋銀座店(東京都中央区)によると、1月前半の免税売上高はコロナ禍が本格化する前の令和2年の同時期と比べて約9割に回復。三越伊勢丹も首都圏の店舗で約9割と、中国人客少なくてもコロナ禍前の水準に近付いている。コロナ禍前にみられた中国人客の〝爆買い〟では化粧品などの購入が目立ったが、今は円安もあってブランド品などの高額品が伸びている。
三越伊勢丹の担当者は「中国本土からの需要はゼロに等しく、他の地域からの顧客へのアプローチを考える方が優先」と話す。
それでも、コロナ禍前は中国人客が最も多かっただけに、松屋の担当者は「今年は客足の回復に期待したい」と先を見据える。
ドラッグストア大手のマツキヨココカラ&カンパニーも、アジアからの訪日客数が回復途上にある。免税対応店舗を拡充し訪日客の戻りに備えてきた。ただ、中国人客は渡航条件などの先行きが不透明なことから、春節の時期も含めて状況を見極めている。
大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」でも、来場する訪日客数がコロナ禍前に戻りつつあるという。日本への観光を待ち望んだ外国人は多いようだ。
ただ、コロナの感染状況や中国を始めとする各国の出入国規制が流動的なことに変わりはない。USJの担当者は、「訪日客は安定していない。春節を機にうまく流れが変わればいいが」と期待を示す。(飯嶋彩希)




