全世代型社会保障改革の一環として議論されてきた介護保険の高齢者負担を増やす案の結論が来夏まで先送りされた。既に一部の75歳以上の医療費の窓口負担が増え、介護でも負担増となればサービスの利用控えが起きかねないとの懸念があるためだが、医療や子育てに比べ介護分野の議論の遅れが目立っており、有識者からは異論も出ている。
議論の舞台となった社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の介護保険部会は当初、65歳以上が毎月支払う介護保険料について高所得者の保険料を引き上げる一方、低所得者の保険料を引き下げる方向で年内に議論を決着させるはずだった。
だが、介護保険部会が議論を本格化させた10月は、一定の収入がある75歳以上の医療費の窓口負担が1割から2割に引き上げられたばかりだった。要介護者の支援団体などは議論を重ねるたびに、医療も介護も負担増になればサービスの利用控えが起きると反発を強めた。厚労省は「介護制度の改正は令和6年度に行うもので、まだ時間はある」(幹部)と結論の越年もやむを得ないとの判断に傾いた。




