国産ビールの起源は大阪だという。明治時代の大阪の実業家、渋谷(しぶたに)庄三郎(1821~1881年)が、日本人として初めて生産販売を始めたとされる。庄三郎のビール造りは9年ほどで幕を閉じたが、このときの技術も生かされ国内での製造が本格化。国産ビールが花開いた。一方、庄三郎の夢がついえてから約140年たった今年、渋谷家の女性がクラフトビール製造に着手。令和の大阪で新たな歴史を刻む。
国の計画を継承
大阪の歓楽街、北新地の一角に「国産ビール発祥の地」と刻まれた石碑が立つ。付近に庄三郎のビール醸造所があったとみられる場所だ。「わが国におけるビールの醸造は幕末に横浜で外国人が行っていたが、日本人の手によるものとしては、渋谷庄三郎がこの地で醸造したものが最初といわれている…」。かたわらにある大阪市教育委員会の説明板はそう伝える。
