主張

男女の賃金格差 公表通し働く環境整備を

女性活躍推進法の省令が改正され、一定規模以上の企業に、男女間の賃金格差を開示することが義務付けられた。

賃金のありようを「見える化」することは企業がその原因を認識し、課題を解決するための最初の一歩である。

他社との比較も容易になる。企業間で好事例に学び、働きたい女性が能力を発揮できるようにしてほしい。

各国のフルタイム労働の男女の賃金を中央値で比べると、日本では女性の賃金が男性より20%以上低い。役職者の少なさや勤続年数の短さが影響しているためだ。

スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」は、各国の男女の平等度を経済、教育、健康、政治の4指標で順位付けしている。最新リポートでは、日本の総合順位は116位で先進7カ国中で最下位だった。

経済分野ではさらに低く、121位に沈む。女性活躍の環境が整っていない現実を直視し、国内施策を整えなければいけない。

厚生労働省は改正で、常時雇用が301人以上の企業に、男性の賃金に対する女性の賃金割合を「全労働者」「正規雇用」「パート・有期社員」の3つの区分で公表することを義務付けた。

男女の賃金差の原因は、役職者数、勤続年数、労働時間の違いでかなり説明できる。男女ともに家庭や子育てと両立できる職場にすることがいかに重要かである。賃金が勤続年数に比例する日本型年功序列の課題も含めて見直していかなければいけない。

過渡期の企業に配慮し、厚労省は勤続年数の同じ男女の賃金比や、同じ役職での賃金比などを追加的に示すことも認めた。企業によって男女の働き方は多様である。さまざまな比較を通して企業や業界固有の事情に気付き、できることから改善したい。真の目的は情報公表ではなく、公平を担保する環境づくりにあるからだ。

公表の本格化は来春以降になりそうだ。各社が自社サイトの目立たぬ場所に示すなどの消極的なことではいけない。301人以上の企業の半数超は、厚労省の「女性の活躍推進企業データベース」に採用の男女比などを既に示している。この周知と活用も急務だ。

就職活動中の学生には、よい情報源になる。女性が働きやすい企業は男性も働きやすい。よい循環が生まれてほしい。

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