新型コロナウイルス感染症対策として18都道府県に適用している蔓延(まんえん)防止等重点措置の全面解除が17日、決まった。ただ、新規感染者数の減少は依然緩やかで、リバウンド(再拡大)含みなのは間違いない。社会経済活動を進めるために、解除に踏み切った側面は強い。「日常」を取り戻せるかどうかは、感染リスクをどこまで社会が許容するかにもかかっている。
「反対はしないが、非常に心配している。歓送迎会や花見の時期に解除するのはどうなのか」
重点措置解除の諮問を受けた17日の基本的対処方針分科会(尾身茂会長)では、医療関係者2人が難色を示した。オミクロン株より感染力が強いとされる派生型「BA・2」への置き換わりが進むとみられることも念頭にあったようだ。
最終的には「重症化する人は高齢者でも基礎疾患のある人が多い。10歳以下の子供がどんどん重症化しているわけではない。社会への影響が限界にきている」(尾身氏)として了承され、基本的対処方針には「感染症の脅威を社会全体として引き下げながら、経済社会活動の正常化を図っていく」と明記された。
もっとも尾身氏自身、記者団に「感染者が増える可能性はある。ワクチンは万能薬ではない」と語り、「第7波」を警戒している。
分科会に提出された政府の資料によると、3月の年代別新規感染者の割合は、10代以下が約35%と最も多く、増加傾向にある。国立感染症研究所の脇田隆字所長は、オミクロン株の流行が長引いている一因について「小児の感染が影響している」と見る。その一方で、クラスター発生件数では、14日までの1週間で最多は、これまでと同じ高齢者施設で341件だった。
対処方針には、発熱などの症状がある児童の保育園への登園自粛の徹底や、高齢者施設で感染者が発生した場合の早期介入、職員の頻回検査などが盛り込まれた。政府は飲食店対策が中心の重点措置の在り方も検討する方針だ。今の立ち位置は、第6波の「出口」の入り口にすぎない。
(坂井広志)




