小林陵、「ノリさん戦法」で金メダル レジェンド師匠超え

平昌五輪にともに出場した小林陵侑(右)と葛西紀明。北京では弟子が金メダルに輝き、ソチ大会銀メダルの師匠を超えた=2018年2月(松永渉平撮影)
平昌五輪にともに出場した小林陵侑(右)と葛西紀明。北京では弟子が金メダルに輝き、ソチ大会銀メダルの師匠を超えた=2018年2月(松永渉平撮影)

6日の北京五輪ノルディックスキー・ジャンプ男子で、スキーの日本勢24年ぶりの金メダルを獲得した小林陵侑(りょうゆう=25)=土屋ホーム。フジテレビ系のコメンテーターとして北京入りしていた所属先の選手兼監督、葛西紀明(49)は「たまっている涙が全部出た。目の前でまな弟子が金を取れるなんて本当に幸せ」と喜びを爆発させた。

小林陵は本戦直前の試技を出場50選手でただ一人回避。その理由を1回目のジャンプが終わった後、葛西に「ノリさん(葛西)戦法です」と明かしたという。ジャンプの本数が増えることでの疲労、集中力が途切れることなどを考慮し、葛西がかつて行っていたルーティンを取り入れたのだ。葛西は「使ってくれてうれしいと思った」と話す。

五輪に8度出場し、41歳で迎えた2014年ソチ五輪で銀メダルを獲得したレジェンドは高校時代の小林陵の才能を見いだし、じっくりと育ててきた。18年平昌五輪からの4年間で世界のトップ選手へと成長。自らの銀を超える結果に「悔しさはない。後輩の陵侑が取ったのはうれしさしかない」と笑顔で話した。

まな弟子は「選手としては(今回は)一緒にできなかったが、この時間を共有できてすごくうれしい」と喜びを語った。「ラージヒルや他の試合も全て金メダルを取っちゃうんじゃないかという勢いがある」と師匠。小林陵は7日夜、今大会から採用された混合団体で2冠目を目指す。



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