小林陵「金」さらなる高みへ W杯総合王者から「進化」

<男子ジャンプノーマルヒル決勝>2回目の飛躍を終え、金メダルが決まり、手を振る小林陵侑=6日、国家ジャンプセンター(桐原正道撮影)

日本の今大会金メダル第1号となったのはジャンプ男子のエース、小林陵侑(土屋ホーム)だった。ちょうど半世紀前の2月6日、1972年札幌五輪で笠谷幸生が日本に冬季五輪初の金メダルをもたらした。日本勢のジャンプ競技個人種目の金メダルは、その笠谷、98年長野五輪の船木和喜(フィット)に続き3人目。海外開催の五輪では小林陵が初めての快挙となった。

2018~19年シーズンのW杯個人総合王者-。小林陵を語る上で、この肩書は外せない。ただ、その後、今季までの3シーズンは、王者の残像と戦った日々だった。

小林陵の飛躍は「シンプル」とよく形容される。特に、総合王者になったシーズンは踏み切った後の無駄な動きがほとんどなく、日本代表の作山憲斗アシスタントコーチは「テークオフで、立って終わりみたいな飛躍だった」。

だが日々変化する体に合わせて飛躍を微調整する作業は、簡単ではなかった。翌19~20年シーズンは所属先のコーチの交代で指導法が変わったこともあり、頭で描く理想形と実際の飛躍とが乖離し始めた。20~21年シーズンの前半戦は2桁順位も増えた。「王者の余韻が残っていたのがなくなってきた。切り替えないといけないのが昨季だった」。作山アシスタントコーチは振り返る。

昨季は低くなっていた助走姿勢の修正などに着手。所属先の監督を務める葛西紀明は「トレーニングを自分でするようになった」と変化を口にする。

本人も「王者のときと今とではジャンプが違う。イメージも違うし、体も違う」と強調する。今季はW杯で既に7勝。復活というよりは、進化という方が正しい。

7日には混合団体が控え、小林陵の北京での戦いはまだまだ続いていく。「これからまだ競技が続くので、日本選手団と僕の勢いにつなげていきたい」。メダル量産へ、幸先のいいスタートを切った。決して1冠で満足するつもりはない。(小川寛太)



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