2年近くにわたり、世界を翻弄してきた新型コロナウイルス感染症。1400万都民を抱える東京でも最近は落ち着きを見せている。そこに、また新たな変異株問題が報じられ、国には迅速・効果的な水際対策をお願いしたところだ。
今、世界のリーダーたちの視座は「アフターコロナ時代」をいかに描くかにある。欧米諸国は財政の立て直しを意識した財源確保策が急務としているが、わが国政府は過去最大となる55兆円超の経済対策を打ち出した。感染者数の推移もにらみながら、社会・経済活動の再開に向けた一歩となることを期待する。来週から始まる第4回定例都議会に提出する総額1047億円の補正予算案は宿泊・自宅療養の態勢強化や保健所業務のデジタル化、3回目のワクチン追加接種の推進など、「第6波」とその後をにらんだ都の対策を盛り込んでいる。
新型コロナのパンデミック(世界的大流行)は、例外なく大都市部に感染症対策の課題を突きつけた。交通網が張りめぐらされ、人口が密集する大都市は人と人とが密に接する「3密(密集、密接、密閉)」の機会が格段に多い。「3密回避」が感染症対策の要諦であるのは自明だが、法的基盤を持たぬ中で人々に協力を呼びかけることの難しさを感じたのも事実だ。
現状の落ち着きは、ひとえに菅義偉(すが・よしひで)前首相が猛烈に推進したワクチン接種にあることは明白だ。都内の最新の2回目接種率(12歳以上)は8割を超え、65歳以上の高齢者は9割を超えている。接種率だけでなくワクチンの質の安定も重要だと聞く。加えて、今もなおマスク着用や手洗い・うがいといった基本的な感染防止対策を国民が受け入れていることなど、総合的な効果が現状をもたらしていると思える。




