高齢者らの個別避難計画策定に1人7千円 小此木防災相表明

インタビューに応じる小此木八郎防災担当相=9日午前、東京都千代田区(萩原悠久人撮影)

 小此木八郎防災担当相が9日、東日本大震災発生から11日で10年になるのを前に産経新聞の単独インタビューに応じ、全国の地方自治体に対し、高齢者らの個別避難計画の策定費用として1人当たり7千円分を国が負担する方針を明らかにした。今後5年間で総額約36億円を見込み、51万人分の計画策定を目指す。

 政府は災害時に高齢者や障害者ら要支援者の避難を周囲が支援するため、1人ずつ行動を決めておく個別避難計画の策定を推進。策定を自治体の努力義務とする災害対策基本法改正案を閣議決定しており、今国会で成立する見通しだ。

 小此木氏は個別避難計画について「市町村が主体となり、要支援者ごとに関係者と連携して作成することが重要」と強調した。ケアマネジャーといった福祉専門職の協力を得るための報酬や事務経費などとして1人当たり7千円程度を支援し、「地域の実情を踏まえながら5年程度で作成に取り組む」と述べた。

 政府は要介護度3~5で自力避難が困難な住民のうち、ハザードマップ(被害想定図)で危険な区域に住む人や独り暮らしの人など優先度が高いと自治体が判断した人を支援対象に想定。全国約51万人と推計し、国の支援は総額36億円を見込む。半額の約18億円を令和3年度予算案の地方交付税交付金に計上した。

 また、計画作成手順を明示した指針の提示や、優良事例を全国展開するモデル事業の実施、既存の補助制度の紹介などで自治体の取り組みを支援する。

 東日本大震災の死者のうち65歳以上は約6割で、障害者の死亡率は全体の約2倍に上る。個別避難計画は平成17年に制度化したが、要支援者名簿の全員分を策定した自治体は令和元年6月時点で12・1%(消防庁調べ)にとどまっている。

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