コロナ後遺症2000人調査へ 呼吸機能低下 イタリア「患者の3割」

厚生労働省=東京都千代田区(納冨康撮影)

 厚生労働省は新型コロナウイルス感染者で退院後も呼吸機能の低下が続く「後遺症」のような事例があることを受け、2000人を対象に、原因を調べる研究を8月から始める。治療や予防の方法を調べる方針。

 コロナ感染者の中には、退院後も息苦しさが続いて自宅で酸素吸入が必要だったり、疲れやすくなったりする人がいるとの報告がある。イタリアの呼吸器学会は5月、回復した人のうち3割に呼吸器疾患などの後遺症が生じる可能性があると指摘した。

 今回の研究では、入院やホテル療養をしていたときの症状の程度に応じて対象者を2つのグループに分ける。症状が重く酸素投与が必要だった20歳以上の人には退院後、残っている症状を聞き取り、肺のコンピューター断層撮影(CT)や機能を調べる検査を実施。症状が比較的軽かった人は、残っている症状の聞き取りや血液の分析を行う。

長期リハビリ必要なケースも

 新型コロナウイルスの感染者が、世界全体で1400万人超となる中、患者が回復した後も体調不良を訴えるケースが次第に明らかになってきた。多様な症状を引き起こすとされる新型コロナウイルスの厄介な性質が大きく影響している可能性がある。

 新型コロナの入院患者を受け入れた「自治医科大付属さいたま医療センター」(さいたま市)。集中治療部の讃井將満(さぬいまさみつ)部長は患者が抱える後遺症の深刻さを目の当たりにしている。

 人工呼吸器や人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を要した重症患者の場合、回復しても筋力の低下で介助なしでは歩行が困難になるなど長期リハビリを強いられるケースがある。「治療で使う薬の影響もあり、社会復帰までには少なくとも2~3カ月、多くは半年近くを要することになる」と讃井氏は説明する。

 讃井氏によると、肺機能の低下で退院後も酸素吸入が必要となるケースが報告されているほか、脳や神経がダメージを受け、人や物の名前がすぐに出てこないなど認知機能の低下を招く恐れもある。息苦しさなどの体験がよみがえって、鼓動が早くなるといったPTSD(心的外傷後ストレス障害)や、鬱や強い不安感に襲われる可能性があるという。

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