東京・霞ケ関で今、最も注目されている現役の経産官僚がいる。その人の名は江崎禎英(よしひで)氏(53)。経済産業省の政策統括調整官でありながら、厚生労働省医政局の統括調整官、内閣官房の健康・医療戦略室次長を兼務する、いわば3つの顔をもつ男だ。医療、社会保障に関する政府の政策をリードしており、日々全国を飛び回っている。そんな江崎氏が口にした、ステージ4の小腸がんと闘っている筆者への激励。「坂井さんは100歳まで生きるのでは」。その真意とは何なのか。国民病ともいうべきがんや認知症対策などを聞いた。
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--超高齢者社会に突入し、働き手が減る中でどのような対策が必要か
「今の社会保障制度は、『還暦』で人生が終わっていた時代に作られたもの。人口構造的にも財政的にも最も恵まれたときに、リタイアして余生を送る人を支えることが前提となっている。人生100年時代が到来しつつある現在、社会の仕組みを見直すことが大切と考えている」
--社会の仕組みとは
「『高齢者が増えれば社会保障費が増えるのは当然』という議論があるが、高齢者が健康で長生きできるようになったのだから、もっと社会で活躍し続けられる仕組みを作ることが先。その上で、本当に必要な社会保障制度は何かを考えるべきだ」
--医療について具体論を聞きたい。いまや国民病ともいうべきがんへの対策はどうあるべきか
「私たちの身体の中では、毎日沢山のがん細胞ができている。しかし、免疫細胞がこれらをせっせと排除してくれるので、すぐには病気としてのがんにならない。がんになっていない人は、生活習慣に気を使ってほしい。必要な栄養を取り、適度な運動を心掛け、ストレスをためないことで、免疫細胞を活性化させ、毎日できているがん細胞を病気としてのがんに発展させないで済むかもしれない」
「他方、がんと診断された人は、これからの時間を大切に生きることを考えてほしい。がんになったことに絶望し、ふさぎこんでいる人から死んでいく気がする。末期がんを宣告された人でも、身体を温め、おいしい食事を取り、体をいたわりながらも、これまで通りの活動している人は、『本当にがんなのですか』と聞きたくなるほど元気な人が多い。『一病息災』というのは、がんの場合でもあながち間違っていないかもしれない」
「人が健康で長く生きられるかは、結局免疫細胞がしっかり働いてくれるかどうかに尽きる。抗がん剤は特効薬ではない。手術で取り逃したがん細胞を捕まえるのは最終的に免疫細胞だ。栄養不足やストレスは免疫細胞の活動を妨げる大敵だ」




