折り紙に思い込め 病院食に季節感と彩り 「楽しく食べて 回復を」

折り紙を制作する樋口みどりさん。患者の回復を願って手作りする

 □福岡歯科大付属病院・管理栄養士・樋口さん

 福岡歯科大学付属の医科歯科総合病院(福岡市早良区)で月に1〜2回、入院患者に出す食事に、折り紙が添えられる。管理栄養士の樋口みどりさん(44)が、節分などの年中行事や季節を意識して、制作する。作品を病室に飾る患者もおり、樋口さんは「楽しく、おいしく食べて、回復につなげてほしい」と期待する。 (高瀬真由子)

 ヒマワリ畑の中にいるカブトムシやクワガタ。色鮮やかなアジサイとカタツムリ。樋口さんが作る折り紙は、季節感があふれる。直径1〜2センチの小さな花や昆虫を台紙に貼り付ける。

 折り紙作りに力を入れるのは、7年ほど前からという。コスモスの花を折り紙で添えたところ、気に入った女性患者が、両面テープで胸に付けた。

 「食事は入院生活で楽しみの一つ。少し手をかけることで、こんなに喜んでもらえるんだ」。折り紙が患者とのコミュニケーションになることにも気づいた。

 同病院には常時20〜30人が入院する。休憩や空き時間を使って、一つずつ手作りする。雛(ひな)飾りやサンタクロースが飛び出すカードを作ったこともある。

 患者からは「今日は山の日だったね」「孫にプレゼントしたよ」と感謝の声が寄せられる。入院が長期化する患者にとって、季節の移り変わりや、院外の景色を感じる機会にもなっている。

 昨年、糖尿病で入院した野口隆さん(64)は「病気で左目が見えなくなり、失意のどん底でした。樋口さんの折り紙をみて、温かい気配りに感動した。頑張って治そうと、勇気をもらった。その後、手術を受け視力はほぼ回復しました」と語った。

 管理栄養士として、患者の状況に合わせて、日々の献立を考える。一人一人に、どんな栄養が必要かを考慮し、食事の指導もする。

 口腔(こうくう)外科を持つ同病院では、舌がんなど口の中の悪性腫瘍や、顎(がく)変形症などの手術も行われる。こうした病気の患者は、食事を取ることが難しい。そんな患者が摂取しやすい調理方法や、食欲がない患者に合わせたメニューが求められる。

 樋口さんは講習会などに参加し、工夫を凝らす。患者への声かけや、食べ残しの確認にも気を配る。

 適切な栄養摂取は、順調な回復に欠かせない。病院では管理栄養士や医師、薬剤師ら他職種を交えた栄養サポートチームを設け、連携して動く。樋口さんが折り紙を付けるのも、食事が楽しければ、食欲が増し、早期回復につながると期待しているからだ。

 「治療にとって食事は非常に大切で、口からしっかり食べる患者は退院も早い。おいしく食べてもらうには見た目も重要。早く回復できるよう、喜んで食べてもらえる食事提供に取り組みたい」と語った。

 節分には、赤鬼や青鬼が食事を飾る。

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